美容院の開業 創業融資
美容院での独立開業の際の、創業融資のポイントを紹介します。
美容院は、労働集約的業種であり、開業が比較的容易であるので、新規参入が多く、厳しい競争環境にあります。
立地に即した客層に適したサービスを提供しているかがポイントです。
なお、美容院は保健所への届け出が必要ですので、開業前に保健所担当者に出店について説明をしておくとよいでしょう。
1.美容院の事業計画
<サロン開業費用について>
サロン開業費用に関する統計データがあります。
開業費用合計の平均は891万円です。
その内訳は以下のとおりです。
内外装工事 423万円(47%)
機械・什器・備品等 189万円(21%)
運転資金 165万円(19%)
テナント賃借費用 95万円(11%)
営業保証金・FC加盟金 19万円(2%)
出典;日本政策金融公庫「2012年度新規開業実態調査」
<サロン開設資金の調達について>
調達資金の平均は964万円です。
金融機関 613万円(64%)
自己資金 253万円(26%)
親族 79万円(8%)
その他 18万円(2%)
出典;日本政策金融公庫「2012年度新規開業実態調査」
<開業費用見積もり例について>
<運転資金>
現金売上が中心ですが、立地によっては、相当な宣伝広告費が必要となります。
美容室を開業し、黒字化するまでの平均的期間は5カ月です。赤字期間も資金が不足しないように運転資金の余裕を持つ必要があります。
(運転資金例)
開業費用 100万円
手許資金 100万円
<設備資金>
店舗の保証金、仲介料等。
椅子(セット・シャンプー・ドライヤー)、内装工事費、店舗内装飾、看板、給排水工事費等、空調設備、照明器具・配線工事等。
設備投資額に対応する売上高が見込めるかどうか、投資額の回収計画に妥当性があるか否かが審査ポイントとなります。
(設備資金例)
内外装工事費 500万円
設備給排水工事費 600万円
備品・消耗品費 100万円
<売上予測例について>
売上高=客単価×セット椅子数×回転数
セット椅子2台、1日1台の回転数4.5回転とします。
客単価は3,950円で1カ月25日稼働とします。
1ヶ月間の売上高予測は、3,950円×2×4.5回転×25日=88万円
となります。
売上予測の成否は、勤務時の「固定客」の確保状況に影響されます。
ちなみに、2012 年小企業の経営指標(日本政策金融公庫総合研究所編) によると、従業者1人当たりの売上高(月間)53万円です。
2.創業動機の説明
「常連のお客様に独立を薦められたから」
というような主体性の無い創業動機を公庫は評価しません。
「現勤務先で固定客がついてきたため、同じ美容師の妻とともに店を持つこととした」
という表現の方が支援者の協力があることも分かり融資審査上プラスです。
3.事業経験
事業経験がなくても、豊富な勤務経験があれば、美容室事業成功の確率は高まります。
単なる勤務先、勤続年数の記載だけではアピールが不十分です。
役職、待遇、担当顧客数、自らの売上、コンクール入選有無等を説明する必要があります。
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