IT企業の税務のポイント ソフトウェアとコンテンツ

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ソフトウェアとコンテンツ

  • ソフトウェアとコンテンツは、プランナー、プログラマー、デザイナー、CGクリエイター、ミュージシャン等の相互依存的な共同作業で制作されるため、一体不可分なことが多々あります。
  • 「研究開発費及びソフトウェアの会計処理に関する実務指針」では、コンテンツはソフトウェアとは別個のものとして取り扱い、ソフトウェアの範囲に含めていませんが、ソフトウェアとコンテンツが経済的・機能的に一体不可分と認められるようなものの主要な性格がソフトウェアかコンテンツであるかを判定して、会計処理を決定することになります。
  • ソフトウェア・コンテンツの制作サイドでは、ソフトウェアとコンテンツを別個の経済価値として把握可能です。したがって、ソフトウェアと区分して、コンテンツの制作費を個別に集計することになります。
    しかし、両者が一体不可分なものとして明確に区分できない場合(例えば、一方の価値の消滅が、他方の価値の消滅に直接結び付く場合)には、その主要な性格がソフトウェアかコンテンツかを判断してどちらかにみなして会計処理することになります。
    なお、ゲームソフトの制作では、ソフトウェアとコンテンツが同時にかつ高度に組み合わされて制作される場合が一般的ですが、制作費の巨額化に伴い、ソフトウェアの制作とコンテンツの制作がその過程で区分されているときには、制作費の集計においても両者を区分して処理することが合理的であると考えられます。

ゲームソフト制作費の会計処理の開示例 バンダイナムコホールディングス 2012年(平成24年)3月期

ゲームソフトについてはソフトウェアとコンテンツが高度に組み合わされて制作される特徴を有したものであり、両者が一体不可分なものとして明確に区分できないものと捉えております。また、その主要な性格についてはゲーム内容を含め画像・音楽データが組み合わされた、いわゆるコンテンツであると判断しております。以上のことからゲームソフト制作費について、社内にて製品化を決定した段階から、仕掛品に計上しております。また、資産計上した制作費につきましては、見込み販売数量により売上原価に計上しております。
  • 購入者側では、ソフトウェアとコンテンツを明確に線引きをすることは概念的には可能ですが、実務上は両者の一体処理が認められています。主要な性格に応じてソフトウェアかコンテンツのいずれかとして処理することになる。
    しかし、ソフトウェアとコンテンツの経済価値を明確に区分できる場合で、区分して会計処理することが合理的なときには、両者を区分して会計処理することを妨げるものではありません。

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